報告書

令和元年度 人材研究会 報告書
「これからのシニア人材の活躍支援の在り方に関する調査研究」

日本では、近年、「働き方改革」に取り組む企業が増えているものの、少子高齢化の中、先進国の中でも低いとされる労働生産性の向上が併せて図られなければ、「働き方改革」も実現できないと考えられる。そのため、単なる残業削減でなく、社員の一人一人の時間意識を高め、同時に多様な人材が活躍できるように「働き方の改革」を進め、年齢、性別、国籍に関わらず、企業が必要とするスキルを持った多様な人材が活躍できる企業・職場とすることが必要といえる。
令和2年2月4日、70歳までの就業機会の確保を企業の努力義務とする、「高年齢者雇用安定法」などの改正案が閣議決定され、これからの時代においては、”エイジフリーの人材活用”がキーワードとなることが予見される。とくに、人生100年時代にあって、保有スキルの高いシニア人材が、キャリア後期においても仕事意欲を低下させることなく、企業内外を含めて活躍できるようにすることが、企業や経済全体の労働生産性の向上の観点からも、社会保障制度の持続性の確保の観点からも、望ましいと考えられる。
そこで、当研究所内に、企業、学識者、政策当局など関係者からなる研究会を設置し、個人アンケート調査やシニア人材へのインタビュー調査、さらに企業事例・有識者の事例報告等を通じて、「シニア人材が、意欲的に仕事に取り組み、能力を発揮できるようにするための取り組み」について、企業とシニア人材の両者の視点から検討を行い、8つの提言を取りまとめた。